2018/12/11
井上苑子
Inoue Sonoko Winter Tour ~ファンタジック~
Zepp DiverCity (TOKYO)/第1公演/収録公演
座席 : 2階-2C列-35番 (1階・スタンディング,2階・全席指定)
開演 19:00 → 終演 20:50 (公演時間 : 1時間50分)
【Set List - セットリスト】
(Opening S.E.)
M01. テレパシー
M02. ファンタジック
(MC-1)
M03. 踏み出す一歩が僕になる
M04. HeartBeat
M05. 雨のラブソング
M06. メリーゴーランド
(MC-2)
M07. せかいでいちばん (アコギ弾き語り ver.)
(MC-2-1)
M08. 赤いマフラー (アコギ弾き語り ver.)
M09. どんなときも。 (org. 槇原敬之) (ピアノ弾き語り ver.)
(MC-3) ※ Happy Birthday to 苑ちゃん
M10. 約束
M11. フェアリーソング
(MC-4)
M12. リメンバー
M13. 線香花火
M14. グッデイ
M15. 右足
~ Encore ~
(MC-5)
M16(En-01). 青とオレンジ
(MC-6)
M17(En-02). 君がいればOK! 〜サマサマキュンキュン大作戦〜
【Comment - コメント】
私がはじめて,苑ちゃんの Live を観させていただいてから,はや 4年。当時まだ,17歳の「女子高生シンガーソングライター」なんて言われていたりもしましたが,気がつけば,もう 21歳の (女子大生) シンガーソングライターへ成長・・・と,私自身,あんまり「成長」という言葉を使えるほど,きちんと追っかけられている自信がないんですけども,そんな私をしても,日々進化するステージ,変わるようでいて変わらない MC,しかしその中でも,20歳は恩返し,21歳は後輩 (自分よりも年下のファンも含む) への気遣いまでみせるなど,たしかな「成長」を感じずにはいられない,バースデーの Tour 開幕となりました。
苑ちゃんのバースデーにして,Tour 初日の模様ですので,すぐ出すか,最後まで出さないかという感じなんでしょうけども,公演から 2週間後という,実に中途半端な時期になってしまったのは・・・この直後に,まあ,派手に,風邪に虫歯までやらかしまして (風邪やら虫歯やらがなければ,もう,とっくに出してたつもりのやつ)・・・(;´Д`) 12月11日だけは,苑ちゃんのバースデーのために予定を空けておかねばと,Perfume を翌日に回すなどして,早々に予定を組んではいたものの,本来なれば,2人でお邪魔するところ,直前になって,急きょ,私ひとりでお邪魔することになったりと,いろいろと (書いている側に) 波乱もありましたが・・・風邪も虫歯も,中途半端に残るクリスマスの夜に,ひとり,苑ちゃんのバースデーを思い起こしながら過ごすというのも,いいものです。
場内に入って,まず感じるのが,近年,ステージセットに凝っているのも,苑ちゃんの成長を実感できるひとコマになっているなあという点です。去年のステージセットは,Album "JUKE BOX" をひっさげての Tour で,ジュークボックスをモチーフにした,ひと目見てわかりやすい世界観でしたが,今年のステージセットは,苑ちゃんのプライヴェートルームがモチーフでした。壁に飾られた CD,デニム,そして,一番目を引くのは,ステージのセンターに置かれたベッド・・・んっ?? Tour のタイトルが「ファンタジック」なのに,苑ちゃんの部屋とは,これいかに・・・苑ちゃん曰く,このあたりも,想像力を働かせて楽しんでほしいとのことでしたが,のちの MC で,ポロッと言っちゃったり・・・それはまたのちほど。
バンドメンバーの入場ののち,苑ちゃんが登場し,ベッドに体を預けたところで,まず披露したのは,なんと「テレパシー」。最初は,盛り上がる曲からはじまるのが定石だった苑ちゃん。こうした入りかたからも,大人の雰囲気を感じさせてくれましたし,間奏やアウトロの照明の変化も,どことなく物憂げな感じがしました。なにより,今にして振り返ってみれば,「ファンタジック」な世界観にピッタリの 1曲だったなあと。そこから,Tour タイトルの曲でもある「ファンタジック」で大いに盛り上げ,最初の MC へ。
苑ちゃんの MC って,あんまりこう,とりとめがないことが多いんですけども← きょうは,平日やし,火曜日やし,学校や仕事もあるやろし・・・休んだ人?いろいろ休んだ人?と聞いてみたり (休みどころか,職場から新橋に寄って,券を託されてから,ここに来たんだよと・・・2階から「テレパシー」を送っときましたが,苑ちゃんには,もちろん「テレパシー」に入る前からバレていたと思います),どんどん休んでことか,なんとなく,その場で思いついた話をしてみたり。セットの設定も細かく考えていて,「裏設定」みたいなのもあるらしいんですけども,それらの設定なんかも,みなさんの中で,自由に考えて楽しんでほしい・・・と言いつつ,「『ファンタジック』は,切ない恋のお話を描いた曲で,そんな,切ない感じをイメージした・・・あっ」って,うっかり,それらしい設定を言っちゃうような苑ちゃんらしさも。
そんなうっかりを取り払うかのように,「ではでは,盛り上がっていきたいんですけども・・・みなさんに,お願いがあるんですけど・・・手拍子を,こう,上のほうでやって,盛り上がっている感でやっていただけると」とか「DVD や MV でも観たことあるような・・・無理やりやないけど,なんやと思ったら,下のほうでもええけど」とか,要するに,aiko の Live でよくあるような感じでやってほしいと (そうは言ってないですけど),私は,そういうふうにとったんですけど・・・フロアのお客さんに,そんな盛り上げを求めるようになった苑ちゃんもまた,盛り上げの成長が垣間見えるでしょうか。
今回,最新譜「ファンタジック」をひっさげての Tour ではあるものの,基本的には,3曲以外はだいたい自由。続くセクションでは,「踏み出す一歩が僕になる」,"HeartBeat",「雨のラブソング」,さらには「メリーゴーランド」という,近年の Live では,あんまり聴けないような曲まで,自由自在なセットリストを展開していました。ひさびさにやる曲であったがゆえか,「メリーゴーランド」の前に,ドラムの入りを間違えてしまうハプニングもありましたけど・・・
ここで,ステージには,弾き語り用のアコギと・・・そしてピアノが。苑ちゃんが,人生ではじめて,茶髪にしたことを報告していましたけども,その理由もまた,顔が男の子みたいで,黒髪から変えれば (顔つきも) 変わるかもと思って・・・どうですか?と聞かれれば,本人が「言わせてますよね?」と言っちゃうくらい「カワイイ~」の連鎖が。
苑ちゃん曰く,Live をやることもひさびさで (そんなでもない気もしたけど),お客さんが入るか (楽屋のモニターを見ながら) 心配だったけど,こんなに,後ろのほうまで入ってくれてて嬉しいという MC ののち,アコギの弾き語りで「せかいでいちばん」,「赤いマフラー」の 2曲を披露してくれた・・・までは,よくあるパターンではあったんですが,槇原敬之さんの「どんなときも。」のカヴァーを,ピアノ弾き語りで披露する一幕も。過去に何度か歌っている曲ではあったものの,もしかしたら,苑ちゃんのピアノ弾き語りは,このとき,はじめて観たかもしれません。前 2曲も,曲自体は聴き慣れたもの・・・とはいえ,単に「コード通りに」歌うだけでなく,いわば,ちょっとコードを外してみたり,より Live 感ある歌いかたになっていた点が,実に印象的でした。いつの間に,こんな歌いかた覚えてきたん? しかし,考えてみれば,21歳にして,キャリア 10年を誇るんですから,そのくらい,朝飯前なのかもしれない・・・むしろ,このスタイルが,苑ちゃんの原点に近い感じといったほうがいいのかもしれません。あっそうだ,今回のセットが「プライヴェートルーム」,部屋で弾き語る姿をみせる感じだったんでしょうか。
ピアノの弾き語りを終えて,緊張した,緊張したという苑ちゃん,このタイミングで「Happy Birthday to 苑ちゃん」の伴奏とともに,フロアの 2,000人のお客さんとともに歌い祝福しました (事前に,入場時にペーパーが配られてました)。バースデーケーキとバンドメンバー,それに,お客さんをバックにして,"21" の指ポーズでもって記念撮影した・・・まではよかったものの,そのケーキには,仕組んであるかのように「21歳の抱負を」という文字が・・・それとなく,バンドのメンバーに話を振ってはみたものの,結局,ボールが戻ってきた苑ちゃん,まず,早く 20歳になりたくてしょうがなかったこと,20歳を過ぎたら,すごく早いという話を実感していること,20歳が終わってしまうのがすごく寂しいこと,20歳になったら,もっともっと,いろんなことができると思っていたこと,20歳の 1年,やりたいことがやれたことを振り返って,「21歳になったら・・・年下の子たちも増えているので,力になれるように,がんばっていきたいと思います」と,素晴らしく大人な抱負を述べていました。私なんぞ,苑ちゃんよりも 16 も年上なのに,こんな立派なこと,絶対に言えねえ・・・( ;´・ω・`)ノ
そんなバースデーのお祝いと抱負を経て,今度は,最新譜から「約束」,「フェアリーソング」の 2曲を,軽やかな曲調で進めていきました。その後の MC でも,「みんなを引っ張っていけるように,がんばります」(2回目) と,なんとも大人な発言も飛び出し,きょうのフロアが,大半がリピーターと知るや,「みんなも引っ張っていこうや」と言って,フロアと一体になって駆け抜けるように,「リメンバー」,鉄板の「線香花火」と「グッデイ」,そして,近年の苑ちゃんの Live で欠かせないシンボルともなっている「右足」で,本編を締めくくりました。
「いのうえ」「そんちゃん」コールで,再びステージに呼ばれた苑ちゃん。Encore で,2019年3月6日,LIQUIDROOM (EBISU) にて,Tour の追加公演が開催されること,また,Full Album が発売決定して,同・追加公演で初披露するお知らせがありました。その後,インディーズから永く愛される「青とオレンジ」で,ひとしきり盛り上げたところで,最後の曲は,フロアのお客さんも,だいたいこれと決まっているのがわかっているかのように,タオルを取り出し,「君がいればOK! ~サマサマキュンキュン大作戦~」でした。苑ちゃんも「『聴いてください』やないな・・・いきまっしょう」と言い直すくらいでしたし。今回も,フロアの後方にバックステージを設けたようで,最後のジンガロングとタオル回しの時間は,苑ちゃんが,フロアの壁際に沿って移動しながら,近くのお客さんとのコミュケーションの時間を楽しんでいました。私は今回,たまたま 2階席だったんですけども,ひとりで 1階だったら,絶対に,壁際とか端っこを取る人ですので・・・4月の春 Tour のときにあったような事案が,なくもなかった・・・かも。
前回は,バースデーで締め,今回は,バースデーから始まった Tour.まだ,だいぶ先もありますし,来年 2月2日の仙台までの本公演を経て,3月6日の LIQUIDROOM で,どんな「成長」ぶりを見せてくれるでしょうか。
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